ある新聞の「読者の声」欄を読んでぞっとした。
書いてある内容が、その新聞の論調にぴたりと一致していたのだ。
行間からは「自分の考えはこうだ」という筆者の声が聞こえてきそうな勢いの文章だった。
ぞっとした理由は、実際には新聞の論調通りのことを文章にしているだけであり、筆者独自の考えなどないのに、本人はまったくそのことに気づいていないと感じたからだ。
このようなことが起こらないようにするには、自分にとって心地よい意見に囲まれるのではなく、あえて自分とは異なる意見に耳を傾けることだろう。その際、批判的な見方をするのではなく、フラットな感覚をできる限り維持すること。
なかなか難しいことだけれど、コツコツやっていると少しずつできるようになるはずだ。
自分と同じ意見をたくさん集めても成長は見込めないけれど、反対意見を受け入れることで学べることはとても多いのだから。