小学生の頃に全盲になった栗山龍太さんの日常をユーモラスな漫画と文章で綴る本。栗山さんは盲学校の教師でありシンガーソングライター。妻と2人の子ども、盲導犬アンジーと暮らす。
全盲というハンディを背負いながら明るく前向きに、自分のやりたいことをエネルギッシュに追い求める栗山さんには頭が下がる。
この本のテーマ上、かなりオブラートに包んであるものの、障害者に決してやさしくない日本の社会が垣間見える。
自分より弱いものに対して、理不尽な攻撃を加える人間はどこにでもいるのだ。
関西に生まれ育った栗山さんが関東に移住した理由が悲しい。関西では飲食店で盲導犬同伴を問答無用で拒否されるが、関東の場合は拒否するにしても相応の配慮があるからとのこと。
飲食店側としても遊びで経営しているわけではないので、客離れにつながりかねない犬の同伴など拒否したいというのは自然だとも思える。悩ましい。
自分が恵まれているということを実感するとともに、前向きに生きることの大切さ、家族のありがたさを考えさせてるくれる本でした。