明治安田生命が定年を70歳にすることを検討中であると産経新聞が報じています。
少子高齢化が止まらない日本にあって、誰もが60歳で引退して90歳までの30年間をひたすら消費して暮らすというのは不可能です。
70歳定年制というのは時代のニーズに合った、というか70歳まで働かないと社会が維持できない必要に迫られた制度であると言えます。
70歳定年制を導入する上で障害となるものを考えてみました。
①給料に見合った仕事を70歳まで提供することができるのか。
AIの進歩により人の仕事がどんどんAIに奪われることが予想されています。現役世代がAIに仕事を奪われる不安を抱えているのです。そんな時代にAIに代替できない仕事を60歳~70歳に提供することが必要です。
②身体の問題
昔に比べてお年寄りが元気だ、と言われていますが老いは確実にやってきます。気力はあっても身体がついてこないということは大いにあり得ます。自動車免許証の自主返納が70歳以上の高齢者に努力義務として推奨されていることからも個人差はあれ、身体の衰えに見合った働き方にする必要があります。
③気力の問題
大手企業では役職定年を55歳にしているところが多いようです。55歳に役職からはずされてそこから15年間モチベーションを維持し続けることは難しいでしょう。
年齢とともに衰える気力を維持するための仕掛けが必要です。
④学び直し(アンラーニング)の問題
60歳を越えて働き続けるには、今まで学んできた知識・スキル・ノウハウのうち、時代に合わなくなったものを捨てて新たに学び直す必要があります。過去の成功体験を捨てる勇気と精神力、新しいものへの好奇心、そして努力が必要です。
70歳定年制を導入するためには60代に達しても働ける気力・体力を保持し、社会の変化にあわせて自らを変革できる人材を育てることが前提条件となります。