「顧客の声」に耳を傾け、事業運営の指針とすることはとても大切なことです。「顧客の声」を無視して独りよがりの経営をしても、よほどのセンスがない限りうまくいかないでしょう。
しかし、「顧客の声」に反応しすぎることで、うまくいかないこともあります。
理由のひとつが、「顧客の声」には、「見込み客の声」、すなわち、将来の「顧客の声」が反映されていないのです。
あるブティックは外から店内の様子が見えないので、初めて入るのにとても勇気がいる店でした。店長にそのことを指摘すると、外から中が見えないようにして欲しいという常連客の要望に応えてわざわざ目隠しをしたとのことでした。
これでは思うように新規顧客を獲得することはできません。外から中の様子が見えないお店というのはとても入りにくいものです。お店は常連客に支えられているとはいえ、常連客をずっと囲い込んでおくのは不可能であり、常連客に不評であっても、新規顧客を獲得する仕組みを作っておかないと、いずれはじり貧になってしまいます。
「顧客の声」もひとつの指標にすぎないのです。