『怒りを鎮める うまく謝る』レビュー

  クレーム対応について心理学の視点で書かれた本を探していてたどり着いたのがこの本です。著者は認知科学の研究者。他人の怒りの鎮め方だけでなく、自分自身の怒りを鎮める方法についても記載されています。クレーム対応の基本的な考え方を学ぶのに最適の本です。

 何冊かクレーム対応についての本を読みましたが、どれも「クレーム処理の達人の経験論」であり、あまり参考にならないものばかりでした。クレーム対応は人の心理に深く根ざしたものであり、達人のやり方を再現するのは難しいと感じました。

この本で最も参考になったのは、以下の内容です。

【悪い謝罪の要素】
①不快な行動や失言を正当化する(正当化)
②被害者を非難する(逆ギレ)
③弁解をする(弁解)
④事態の最小化を図る(矮小化:たとえば「ほんの冗談だった」と言うなど)

【包括的で意を尽くした良い謝罪の八か条】
①自責の念の表出(悔恨)
②責任の自覚(責任)
③補償の申し出(解決策の具体的な提案、補償)
④そのような行為をするに至った理由の説明(説明)
⑤今後は適切に振る舞うことの約束(改善の誓い)
⑥被害者を傷つけたり不快にさせたことの認識(被害者への労り)
⑦自分の行為が不適切であったことの認識⑧赦しを請う(容赦の懇願)

 【悪い謝罪の要素】を謝罪に盛り込むと炎上の可能性が高まり、【包括的で意を尽くした良い謝罪の八か条】を謝罪に盛り込むと円満に解決できる可能性が高まると言えます。

 「謝罪のやり方」をマニュアル化するのは難しいこともあり、上記の内容はクレーム対応の基本原則として活用できるのではないでしょうか。

konishi masanobu

konishi masanobu について

「つくづく、もったいない!」そうとしか言いようのないことが、コンサルティングの現場では頻繁に起こります。 世の中には、自らが扱っている商品・サービスの魅力がよくわかっていな経営者がたくさんおられます。堂々と「オンリー・ワン」「日本一」と名乗れるはずが、そのことに全く気づいていないというケースさえあります。  商品・サービスの魅力を理解していても、それをうまく「伝える」ことができていない経営者は更に多く存在します。「つくづく、もったいない!」。  私はサラリーマン時代、理屈で説得して売るという営業スタイルが全く通用しない経験をしています。苦し紛れに読んだマーケティングの入門書から、人間は理屈ではなく「イメージ」で動くことを学びました。そして、「相手の脳に鮮明なイメージを刻み込んで売る方法」を必死で考えました。そうして得られたノウハウは、集客コンサルの現場で「商品サービスの魅力」を伝える技術として発揮しています。
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