マクドナルドの接客時間は短い。一人あたり一分もかかっていないんじゃないでしょうか。生産性を高めるために接客時間を 一 秒でも短くしたいという経営側の意思が伝わってきます。
マクドナルドは入り口正面にカウンターがあります。座ってのんびりメニューを見て考える余裕はありません。前の客が注文している時間が、メニュー選択のために考える時間となります。
カウンターの上の壁にはおすすめ商品(キャンペーン中の商品)とセットメニューが写真付きで掲示されています。単品の価格が書いていません。並んでいる間にセットメニューにするか単品で注文するか決めるよう促されます。
注文する際、カウンター越しにスタッフと正面から向き合うので心理的に圧迫され、早く注文を終えたいという気持ちになります。後ろで待っている人のことも気になります。こうして自分の番が回ってきたらすぐに注文しなければいけないようなプレッシャーにさらされます。
また、選びやすいようにメニュー数は少なく、定番商品がほとんどなので思いつきで注文しても後悔しないようになっています。
重要なのは早く注文するようせかされているにもかかわらず、客は店からプレッシャーをかけられているという実感がほとんどないことです。このあたりの巧みさが世界的なチェーン店に発展した理由でしょう。
マクドナルドがやっているような、顧客の心の深い部分と向き合い、無意識に行動するよう促す仕組みを研究することはとても勉強になります。