なぜか入りにくいお店

 なんとなく入りにくいお店というのがあります。物理的に入りにくいのではなく心理的に入りにくいお店です。これにはスタッフの存在が大きく関わっています。

 カウンターで区切られたスタッフ専用のスペースがあり、スタッフは基本的にこのスペースにいるお店。スタッフ専用のスペースがなく、スタッフと客が同じスペースを共有するお店。どちらが入りやすいかと言えば、間違いなく前者です。スタッフはカウンターの中にいる、というのは客にとって大きな安心となります。

 たとえカウンターがあったとしても、入り口正面にカウンターがあってスタッフと正面から向き合ってしまうお店も入りにくいお店です。このようなお店はまるで門番が守っているような近寄りがたい雰囲気を醸し出しています。コンビニエンスストアは入ってすぐのところにカウンターがありますが、スタッフと正面から向き合う構造になっている店は見たことがありません。

 親しくない人と正面から向き合うのは苦痛です。恋人同士でさえ、正面から向き合うテーブル席よりも横に並んで座れるカウンター席を選びます。このように考えていくと、スタッフも「お店の見た目」の一部であることがわかります。

 私の支援先で店の前に陳列してある商品をスタッフが整理しているとき、つまり店の前を歩く通行人にスタッフがおしりを向けているときに客が店に集まることを発見しました。不思議なことに、誰もいないときより通行人が集まっていました。スタッフが通行人の方を向くと客は寄りつきもしません。

 通行人は商品を触っているのがスタッフであることがわかっていても、誰も居ないときに比べると商品が気になってしまい、寄ってくるのです。

 人間の心理というのは実に不思議で興味が尽きません。

konishi masanobu

konishi masanobu について

「つくづく、もったいない!」そうとしか言いようのないことが、コンサルティングの現場では頻繁に起こります。 世の中には、自らが扱っている商品・サービスの魅力がよくわかっていな経営者がたくさんおられます。堂々と「オンリー・ワン」「日本一」と名乗れるはずが、そのことに全く気づいていないというケースさえあります。  商品・サービスの魅力を理解していても、それをうまく「伝える」ことができていない経営者は更に多く存在します。「つくづく、もったいない!」。  私はサラリーマン時代、理屈で説得して売るという営業スタイルが全く通用しない経験をしています。苦し紛れに読んだマーケティングの入門書から、人間は理屈ではなく「イメージ」で動くことを学びました。そして、「相手の脳に鮮明なイメージを刻み込んで売る方法」を必死で考えました。そうして得られたノウハウは、集客コンサルの現場で「商品サービスの魅力」を伝える技術として発揮しています。
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