経営計画書は最高の業績向上ツールです。経営計画書を作ると売り上げが増えます。正確には、経営計画書を作っている事業者は、そうでない事業者に比べて業績がいいということです。
私はいくつかの商工会で会員向けアンケートを実施し、のべ800社の業績と事業活動との相関関係を調べました。その結果、経営計画書を作っている事業所とそうでない事業所で業績に驚くほど大きな開きがあることが判明しました。
なぜ、経営計画を作っている事業所とそうでない事業所で業績にこれほどまでに大きな開きが生まれるのかを考えた結果次のような結論に至りました。すなわち、経営計画書を作成している事業所は目標(未来)を起点に今何をするかを決めているが、作成していない事業所は今までやってきたこと(過去)を起点に今何をするかを決めているということです。
「過去」を起点に今やることを決めているということは、過去の成功体験を繰り返そうとしていることです。残念ながら世の中は変化しているので、過去の成功体験は徐々にその効力を失っていきます。
一方、「未来」を起点に今やることを決めるということは、過去の延長ではなく世の中の変化に積極的に対応することを意味しています。
経営計画書を作るということは、単に頭の中のイメージを紙に書くという作業ではなく、発想の起点を「過去」から「未来」へと切り替える行為であり、経営者の思考パターンを大きく変化させるものなのです。
私は、経営計画作成支援を通じて、経営者に「未来」を起点に経営する習慣を身につけていただく活動をしています。